恋愛温度、上昇中!
「あれっ?驚かないんですか?」
マチちゃんは不服そうに眉を潜める。
「驚いたわよ」
うん、驚いた。
まるで、別人だ。
もう一度、その関谷らしき男に目を向ける。
一度瞬きしてみても変化のない顔はやっぱり、知らない人みたいだ。芸能人だと言われても納得してしまう容姿は完璧だけれど。
意地悪な笑みも、子供みたいな笑顔も、苦笑した顔もみたことがあるのにそれとはどうしても結びつかない。
「やっぱりすごい人だったんですねー」
やっぱり、の意味が分からないけど、マチちゃんと私の着眼点が違う事は容易に分かった。