恋愛温度、上昇中!
***

「…こちらのミスでした。申し訳ありません」


頭を下げて、尚、早急に全て納品したいと伝えるのは心苦しい。


「無理は承知です」

「まあまあ高見ちゃんが謝ったって仕方ないし。出来る限りは頑張るから」

……しばらく会いたくなかったのに。

仕事と分かっていても、その感情はもはや根っこの問題だから仕方ない。この会社の部長山都さんは安心を与える柔らかい笑顔を向ける。それに救われて癒されると語られる噂がある。あたしはいまだに分からないけれど。優しくて知的で物腰が上品な素敵眼鏡。これで新入社員は大概だまされる。



「…申し訳ありません」


誠心誠意頭を下げながら、あたしはこの人がどれだけ腹黒いか知ってるから頭が痛い。




「…高見ちゃんが頭下げるのみるの久しぶりだしね、興奮するー」





そう、こういう人なんだ。


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