恋愛温度、上昇中!
「もう戻る、祥子はまだいるの?」
仕事の呼び出し、と携帯を上げてから席を立つあたしに祥子はいまだ不本意な顔で腰をあげる。
「今夜は予定があるから無理だから」
更に付け足したあたしに益々祥子は不機嫌に
「話足りないっ!!」
と叫んだ。
「あんたは意地っぱり過ぎる。もっと素直になればいい。まるごと全部脱ぎ捨てたらいい。そーやって感情抑えるのがかっこいいなんて思ってるんだったら、ただの馬鹿だから」
まくし立てる様にそう叫んだ祥子の瞳は僅かに潤んでいた。
こんなに一生懸命にあたしを真っ直ぐ見つめる瞳に何も思わないといえば嘘になる。
あたしだって、どーしたらいいのかどーするべきなのかは、マニュアル通りに考えれば分かる。向かい合うべきな事だって知ってる。
それでも、
「…ありがとう」
あたしは祥子に少し笑って手を振った。