恋愛温度、上昇中!

『紗織さん!おはよーございます!』

なんて元気の良い声だ。休みの日に聞くのは初めてだなとか思いつつ、ゴロンと寝返りを打つ。

「どうしたの?」
『今からデートしましょう!』
「デート?」
『大人な余裕、勉強するんですよ!』

行き詰まった私を気遣ってくれたのか、優しい。だけど急だなぁと眼鏡に手を伸ばす。

『多分20分位で着きます、用意しといて下さいね!時間ないですけど、デートなんでとびきり可愛くしてください!ファイトー!!』

テンションの全く下がらなかった響きを耳元に残して最後は早口でまくし立てるように電話が終わる。ファイトと言われたからには20分で用意するしかない。大人な余裕探しなんてマチちゃんはどこを探索するつもりなんだろうとか考えながら、私は慌てて準備した。

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