少年少女リアル
 慌ただしく、彼女は近寄ってくる。

「ど、どうしたの? こんな所に……。あっ、その荷物! 小田切先生に頼まれたの?」

「うん、……でも、置くスペースもないね」

もっと言えば、足の踏み場が辛うじてあるだけだ。かなり散らかっていて、汚い。
やっぱりあの教師はいい加減だ。
自宅もこんな感じなのだろう。間違いなく。

呆れながら、床に置こうとする僕を彼女が制した。

「待って! 片付けるから」

机の上にある本をかき集め、よく分からない基準で並べられている本の山や棚へ直していく。手際良く。

彼女が美術部だった事に、ここで初めて気が付いた。

「ごめんね。先生、いつも散らかしっぱなしだからさ」

よく分からない模型や、粘土のようなもの。
針金なんか、一体どういった作品に使うのだろう。

「手伝うよ」

僕は荷物をもう一度床へ下ろし、興味半分、山積みに置かれた資料集を脇へ退けた。

「ありがとう」

逆光の中、向かいにいた彼女が寂しげに笑ったのが見えた。
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