少年少女リアル
 向井さんは、たまにこんな時がある。

僕が言うのも少し気持ち悪いけれど、ピュアというか。

不純な僕は、こんな反応をされる度に心臓が捕まれたような感覚に陥る。

記憶がフラッシュバックし、それから、同じように彼女も記憶を見ているのだと思うと、怖くなる。


「……ごめん、無神経だった」

黙ったまま、彼女はふるふると首を振るった。



無理だ。
どうして僕に構うんだ。

忘れてほしいとは言ったけれど、忘れて友人として一から仲良くしてほしいって意味じゃない。


僕は恐怖の対象だ。

友達ごっこが出来ないなら、無理に仲良くなんかしなくていいのに。


こんなの、お互いが余計に縺れてしまうだけだ。


忘れられるわけがない。

僕は、そこまで汚れきれない。
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