少年少女リアル
 失速した歩調が、気付いた頃にはもうどうにも誤魔化せないほど正直で、気まずい。
泳がせた視線の行方を遠くへ眩ませる。

「見てて苛つくんだよ」

佳月は黙って隣りを歩いている。スリッパの音がずれたリズムで奏でられる。

「要領悪くて」

どうして何も言わないんだ。
黙るなよ。

焦りと苛立ちで、顔が歪む。
沈黙に耐えられず、舌打ちが零れた。

「っ、……何なんだよ、あいつ」

「千暁」

沈黙から解放され、佳月の方へ振り向く。
ほとんど毎日顔を合わせているはずなのに、いざ目が合うと、佳月の眼力に負けそうになった。

「向井の事、好きなの?」

「は?」

心臓が飛び出るかと思うほど、ドキリした。いきなり、どっと冷や汗を掻いたような感覚。

「どうして僕が?」

動揺して声が震える。
図星の動揺じゃない。

「珍しく苛立ってるから」

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