少年少女リアル
廊下から、バタバタと走り回る音が聞こえる。
文化祭間際だからか、二つ隣りの生徒会室は出入りが激しい。
遠くからマイクテストの声が響き、それから、ひどいハウリングの音が鳴った。
耳の奥を突くような音に、咄嗟に二人共眉を顰める。
顔を上げると、斜め向かいにいる夏目さんが目に入った。
ない事に、携帯電話の画面へ視線を注いでいる。異様な光景だ。
携帯の色が白だという事も、そもそも、夏目さんが携帯電話を持っていたという事も、特に疑った事はなかったけれど、今、初めて知った。
「珍しいね。夏目さんが携帯を触ってるなんて」
「そう?」
「いつも読書してるイメージしかない」
それか、強いて言うならば、人間観察か。と心の中で呟く。
「だったら、活字中毒って言うよりも、私、ビブロフィリアかもしれない」
ビブロフィリアって何だ。何だか、アクロフォビアみたいだ。
訊ねるのも面倒なので、とりあえず、押し黙る。
「携帯小説を読んでるの」
「ふーん。面白い?」
「別に」
奇妙な解答だ。
いや、夏目さんとの会話はいつも不可思議な事ばかりだ。型破りと言うか、かぶいていると言うか。
文化祭間際だからか、二つ隣りの生徒会室は出入りが激しい。
遠くからマイクテストの声が響き、それから、ひどいハウリングの音が鳴った。
耳の奥を突くような音に、咄嗟に二人共眉を顰める。
顔を上げると、斜め向かいにいる夏目さんが目に入った。
ない事に、携帯電話の画面へ視線を注いでいる。異様な光景だ。
携帯の色が白だという事も、そもそも、夏目さんが携帯電話を持っていたという事も、特に疑った事はなかったけれど、今、初めて知った。
「珍しいね。夏目さんが携帯を触ってるなんて」
「そう?」
「いつも読書してるイメージしかない」
それか、強いて言うならば、人間観察か。と心の中で呟く。
「だったら、活字中毒って言うよりも、私、ビブロフィリアかもしれない」
ビブロフィリアって何だ。何だか、アクロフォビアみたいだ。
訊ねるのも面倒なので、とりあえず、押し黙る。
「携帯小説を読んでるの」
「ふーん。面白い?」
「別に」
奇妙な解答だ。
いや、夏目さんとの会話はいつも不可思議な事ばかりだ。型破りと言うか、かぶいていると言うか。