失われた物語 −時の鍵− 《前編》【小説】




「嘘だ…!」

「君には知らせずにさっき皆さんと

一緒にクスリを選んだ…それを君に

飲ませた…私は君にこれは媚薬だと

もなんとも言わずそれを飲ませた

ここにいる皆さんは一部始終を

知っている…どうですか?

薬という強制的なスイッチが入る

という心の諦めが彼に"仕方ない"

と思わせたのでは?

どんなに悶えて感じても薬のせいに

出来る…身体だけの関係に耐える事

それを放棄出来ると無意識に彼は

判断し…身体を開いた…それが偽の

プラシーボ薬でも」

話ながら彼の手が次第に僕の身体に

愛撫を加え始める

「いやだっ…触るな…」

「触ったら感じるから?」

彼の指が首筋をなぞる

「は…うんっ…んあぁ」

「そうだね…触るだけで溶けそう…

だからダメなのかな…こんな淫乱な

身体なのに?…好きでもない男に

抱かれて感じるから?…君は若い

のにずいぶん禁欲的だな」

周りで低く笑う複数の声

「自分の淫らさを知らないと見える

君は今日それを知るんだよ…誰に

抱かれてもよがり狂う君自身を」

「ああっ…ああっあはっ」

声が止まらない

放置されて視姦された身体の痺れが

触られた場所から焼けただれてくる

「この子は…調教したら良い奴隷に

なりそうだ」

「ええ…そうでしょう…縄が似合う

縛られて見られただけでこんなに

よがり狂って…」

そう言うと彼はすっと手を引いた

「さて…この子も充分に開いてきた

そろそろ皆さんも…いかがですか」

「ああ…良いね…そろそろ我慢の

限界だな」

「では…たっぷりと満足のいくまで

お楽しみになって頂きたい」

誰かが立ち上がる音

戦慄が走る

パニックになる間もなく

足首をグイッと手が引き寄せる

「うあっ…!」

身体にのしかかる体重

男物の香水の微かな香り

強引に唇を奪われる

舌が…入って…く…る




堕ちる

ああ…堕ちる








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