俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
案の定すぐに槙野くんも教室へ来た。
「なんで逃げんだよー」
「逃げたー……わけではぁー…」
後ろに手を組み、くねくねと上半身をうねらせた。
怪しいでしょうかね…。
椅子に腰掛けると、槙野くんも隣に座り…。
「彼氏……じゃ、ねーんだ」
「う、は、はい」
『彼氏』と言われた瞬間目が泳いだのが分かったけど、次の瞬間ほっと肩の力が抜けた。
あたしって嘘下手…?
「ははっ……そっかそっか」
さも可笑しそうに笑うと、「じゃあフリーか」とあたしの目をじっと見て聞いてきた。
「…うんそうだよ。好きな人とかいないから…」
ああ…先輩ごめんね。
好きじゃないとか嘘だかんね!
心の中で手を合わせた。
しかし。
この数日後あたしは、先輩の存在を隠したことを後悔する。
“人”と“人”との絆には……同じ“人”の介入の仕方によって、いとも簡単に亀裂が入るものだと思い知らされることにも……。