俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
苦笑いを返したあたしに一種の災難がふってきたのは、その直後だった。
「篠原せんぱぁ~いっ❤」
……しの……?
…………。
…篠原先輩!?
「え…」
「ちょ、マジで彼…?」
いいいいやししし篠原ま、ま、間違いだよ…。
きっと…うん、そう。きっと…。
そう信じて(自分に言い聞かせて)ロボットのような動きで廊下のほうに首を回した。
「……」
その視界に飛び込んできたのは、他でもない。
…大好きな、あたしの彼氏でした、と。
「んなっ……なんれ…」
あまりの驚きに、呂律もはっきり回らない。
だって先輩は、あたしをじっと見つめてる。
……なんでなんでなんで!?
去年あのことがあって以来…お昼以外学校では会わないって会わないって…。
それをなに堂々と現れて…。
「って」
……んなあっ…!?