俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
ま、人には向き不向きってものがあ―…。
「キャアァーーーッ❤❤❤」
……る……。
な……なんでございましょう…。
「なに急に!」
顔をしかめた杏子が、あたしの心の言葉を代弁する。
「外からだねぇ…」
廊下がいつもの十倍くらい騒がしい。
八割方女の子の声な気がする。
「かっ……かっこいい…」
「あの人が噂の…」
「うっそ! 噂どおり…ってかそれ以上!」
か、かっこいい?
そんなんでこんなことになるの?
どんなだよ…。
突っ込んでみるも、実際気には留めない。
だってあたし、先輩以外興味ないから…♪
それにその先輩よりかっこいい人がいるわけないし。
野次馬根性で覗く女の子達の目がどんどんハートになっていくのを眺めながら、杏子と会話を続けた。
「あんたの彼だったりして? あんな騒がれるのって他に思いつかないし~」
「はは…」
先輩はあれが嫌で授業にも出ないんだからね。
冗談にもなんないよ。