俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

――杏子サイド――


「あッ。杏子~~!」


「ん?」


朝っぱらからご機嫌な声に振り返る。

満面の笑みの悠由だ。


「おっはよ~」


「おはよ。あんたってほんと毎朝嬉しそうにがっこ来るよねー」


「えへ。だって先輩が迎えにきてくれるんだもん♪」


「はいはい…」


幸せそうに惚気る悠由を見て思う。


篠原先輩と付き合いだしてから……より一層可愛くなった。

毎日なんかつやつやしてる。

そのせいで、今まで以上にモテるようになった悠由は……一週間に一人の割合で告白される。


今だってほら。

先輩のことを想うときの可愛い笑顔に、周りはほとんど釘付けだ。


「どったの杏子」


「ああ、ううん。なんでもない」


首を傾げる悠由に気付かれないよう、周りの男共に威嚇しながら…教室まで行った。


学校の人目につくところでは篠原先輩と会えない悠由を守るのはあたしよ❤

あとからぽーんと出てきた人になんか負けてたまるかってのよ。


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