俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
「いってきまー…す」
玄関を出て、いつも先輩がいるところへ顔を出してみる。
「やたっ……まだ来てない! 勝った…」
「勝負じゃねーだろ」
「にゃっ!?」
なんだ……同時かぁ。
先輩が現れて、がくっと肩を落とした。
「待ちたいのかよお前は」
「だってぇ」
いつも待たせてるからなんか……ねえ?
「ヘンなヤツ…」
「へんっていわれた」
だってヘンだろ、と言いながら先を行く先輩を追った。
そしていつも通り、頃合いを見計らって別れる。
「またお昼ね、先輩!」
「ん」
別にこのときお弁当を渡してもいいんだけど…。
なんか持って行ってから一緒に食べるほうがいいんだよね…。
手を振って、先に走って校門へ入った。