オヤジはヒーロー

家に帰り家族で食事を取っていると妻が手の傷に気づいた「どうしたの‥その傷？パチンコ出なくて台でも叩いたんでしょ」と笑う‥まったく意味が解らん「猫の家族を救ったんだよ！」と経緯を説明すると娘が珍しく話に乗ってきた「凄いね猫の為に手キズだらけになるなんて‥」娘に誉められて嬉しくない父親はいない、俺は得意になって猫救出の話をした、すると娘が「お父さん、私も実は少し困っている事があって…助けて欲しいんだけど…｣娘の思いがけない言葉に「娘のピンチを助けない父親がいるか！」と威厳たっぷり言葉を返した、すると娘は嬉しそうににっこりとすると俺の前に紙切れを差し出した「お前これ‥携帯の請求書じゃないか！」｢今月ピンチなんだ、お願いよろしくね！これ払っても血出ないし、」その言葉に返す言葉が見つからず娘の携帯代を払うはめになってしまった、自分の部屋に戻りコーヒーから立つ湯けむりを眺めながらあの猫の赤ちゃん母親のおっぱいお腹一杯飲んだのだろうかとふと思った、そして俺は明日の活躍に心を踊らせる