桜日記―幕末伝―
お母さんからの虐待が終わった後、私は家をとびだした。

本当はお母さんが出ていく私を止めてくれるんじゃないか、私を抱きしめて、今までの事を泣きながら謝って、もう一度二人で一緒に暮らそう―そう言ってくれるんじゃないかと、期待してた。

だけど……
やっぱりお母さんは、何も言ってくれなかった。

むしろ、出ていく私を見て…これで肩の荷がおりた、とでもいうようにせいせいした顔で笑っていた―。

やっぱり私は……
お母さんには必要ないんだね……。

お母さんに必要なのは、お母さんを優しく包む、男の人だからね―。
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