新時代神話
神の世界



「幸大様、いつの間にお帰りに?」

「帰ったって言うか、少し気になることがあってな。

冥府のハデスはいるか?」

「はい。」



「幸大か。久しぶりだな。

人間の世界に行ったと聞いていたが?」

「ハデスに聞きたいことがあってな。」


「聞きたいこと?」

「つい最近、ここに、

冥府に誰か来たか?

俺に殺された奴が。」

「幸大に?

来てないな。

特徴はあるか?」

「体に山羊座のマークが入ってる女だ。」

「いや、来てないな。」


「そうか、邪魔したな。」


「もうお帰りですか?」

ハデスの付き人が見送る。

「ああ、そうだ。

ここら辺から道真や金次郎はいる場所に行けるか?」

「行けますよ。

こちらです。」




「庭に蛍が飛んでる、ここか。」

「これは幸大様、何か御用ですか?」

「久しぶりだな、金次郎。

道真はいるか?」

「ええ、道真公は今はちょうど時間が空いてます。」

「会いたいんだが。」

「どうぞ。」



「お久し振りです。」

「相変わらず、本を読んでるのか。」

「私に聞きたいことがあるような顔つきですが?」

「お見通しか。」
< 108 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop