新時代神話
「でも、風牙は我慢できるの?

幸大が他の奴らと仲良くて。」


「なら、お主も仲良くなれば良いであろう?」

「それでも、他の奴らには勝てないよ!!」

「つまり、お主も幸大と恋仲になりたいと思っておるのだろう?」

「…うん。

風牙は違うの?」

「違わん。

しかし、お主には知識がなかった。」

「知識?」

「日本には昔、殿様という役職があったそうだ。

大名とも言うらしい。


その者達は、嫁がたくさんおったそうだ。」

「そんなことが…」

「一夫多妻、と言ったかのぅ。

つまり、望みは無くはない。」

「でも、本当にできんの?」

「例えできなくとも、幸大ならばやりおる。


あやつは変に優しい。

自分を好いてくれる者も、自分が好む相手も、どちらも拒まず、

そして順番を付けぬ。


お主は、幸大の一番になりたいのか?」

「…違う…と思う。」

「ならば、良い。

一番になりたいと望むならば永遠に叶わぬかも知れぬが、な。」


「幸大は僕にとっては大切な居場所だから。」
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