新時代神話
「そうか。

しかし、あやつはたまに、不思議に感じる。」

「不思議にって?」

「世界の理を知っているかのような、

まるで、そう、例えるならば、人生経験が豊かなご隠居…という感じではなかろうか。」

「ああ。

僕もなんとなく解るよ。

まるで、僕達とは違うかのようで。」


「そう、しかし、我々を拒絶するわけでもなく、か。」


「さて、そろそろ戻ろうか。」

「うむ。

居心地がよく、ついつい長居をしてしまった。」

「実は、僕は、幸大のそばでこんなに静かな心地にはなったことがないんだ。」

「それは私とて同じこと。

静かなことと、居心地が良いのも別だと思うが?」

「だね。

風ちゃん

戻ろう、現実に、居心地の良い場所に。」


「海の時以来の呼び方じゃな。」

「実はあれから、少しライバル視してたから。」

「では、これからは共同戦線といこうかの。」
< 138 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop