私の敵はチビ会長
過去









ガラッ






『おはよー。』

『おはよ〜!!!』




暗いテンションで入ってきたあたしとは対象的に明るい声が教室に響く






…なに?



ゆっくりと重たい顔を上げると



笑顔の輝が頬を染め、興奮気味であたしを見ていた





朝から元気だね



心のなかでそう呟くとあたしは輝に軽く手を振り自分の席に着いた




なんか今日は静かにしてたい…







『あれ〜?なんか元気ないね?誕生日あけの3連休楽しまなかったの?』



あたしの前の席に腰掛、机に顔をのせる輝




その姿は本当に子どもみたいでいつもなら笑っているところ…





でも今日は違う








『まぁちょっとね?考え事があって』

『へ〜!!それって生徒会のこと?』

『ううん?でもそれもあるかも…』





さっきまで笑顔ではじけていた輝もあたしの雰囲気を察して、おとなしい


それに真剣な顔つきであたしの考え事の内容を聞いてきた





いつもはあたしの話聞かないのに…。




そういえば周りの子もいつもにくらべて静かのような気がする




男子が走り回ってないっていうのも不思議



輝に苦笑いをしながら周りを見渡してみた


でもやっぱり思った通り静か…。


それに…人も少ないような








バンッ





『…志穂いる!?ちょっときて!!』




大きな音をたててドアが開いたと思ったら、焦っている顔の沙織が飛び込む




わっ!!?


そしてなにも言えないあたしの腕を引っ張っていく










『ちょっと!?沙織どうし…』

『うるさいっ黙ってついてきて。』






…え?



いつになく真剣な沙織の声にあたしの体が固まる


声も低くて恐怖を感じてしまう
















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