私の敵はチビ会長

会長の思い






亜姑の過去を聞いて、あたしは何も言えなかった


言えるはずもなかった



だって、だって亜姑は…

話しながら泣いてた。



自分を責め続けて、亜姑のせいじゃないのに…

自分が大嫌いだって




あたしは複雑な気持ちで亜姑を見る


亜姑の元彼は会長で、そして、亜姑はいまでも会長のことを思ってる



でも…あたしは素直に応援できないんだ






私も

会長のことが好きだから。


だから、慰めなんて出来なかった


こんな半端な気持ちで優しい言葉なんてかけれない



亜姑…あたしどうすればいい?




そしてあたしは何も言わず亜姑を抱きしめた

抵抗1つせずにあたしに弱弱しくもたれ掛かってくる亜姑



亜姑の気持ちは痛いくらい伝わってくる


罪悪感と苦痛の気持ちが。


正直あたしだったら耐えられない


好きな人に嫌われるなんて辛すぎる、無理だよ。



その人が好きなら好きなほどに嫌われたくなんてない



ごめんね。

亜姑、あたし、自分のことばっかで亜姑のことちゃんと見てなかった




『亜姑…。』

『亜姑っ!!?』



あたしの声を掻き消すように、大きな声が公園に響く

驚いている亜姑とともに声がした方向をゆっくりと向いた




え…。

あれって…



『亜姑っ!!心配したんだよ!?もうやめてよね!迷子!!』


欄さんが話してくれた通り亜姑を抱きしめるその人はクルみちゃん


写真集などで見る顔にそっくりだ




















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