おやすみ
こんばんは
秋の夕暮れは早く、日差しも優しくなり、街をオレンジ色に染める。

俺は気が付くと、ソファーで一眠りしていたようだった。

一枚毛布がかけてあった。

まだ、終わっていないこの世界。

これが最後の夕日だろうか…キレイだと素直に思った。

立ち上がって、もう少し近くで見たくなった俺は窓際に歩み寄って眺める。

「やっと、起きたの?」

背中越しに聞こえた妻の声に体が固くなる。

一眠りしてる場合じゃなかったことを思い出す。

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