エクスタシー~極上のオトコ!?~
エクスタシーの顔に、いつもの傲慢さはなかった。


「わ、わかった。わかったから。離して」


私がもう一度ブランコに座ると、エクスタシーは安心したような顔をしてようやく手を離した。


それっきり、彼は黙っていた。


表情のない顔で静かに小さくブランコを揺らしている。


キイ……。キイ……。


何も聞いてはいけないような気がして、私も沈黙を守った。


月明かりの下、静かにたたずむ無表情のエクスタシーは壮絶なほど綺麗だった。




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