エクスタシー~極上のオトコ!?~
エクスタシーが出て行ってから一週間が経った。


彼の居ない日常は本当に平穏で、それでいて死ぬほど退屈だった。


私は毎日、布団を干し、シーツと枕カバーを洗うようになった。


心のどこかで、また、エクスタシーが
『ただいま』
と言って帰ってくるのを待っていた。


『これ以上、一緒にいたらヤバイことになりそうだから』


彼の最後の言葉を繰り返し思い出した。


あれって……。


その言葉の奥にある意味を考えては、ひとり赤面したりした。


たぶん私は彼の連絡先を知っていたら、何か理由をつけてこちらから会いに行っていただろう。


たとえば、景子ちゃんのように、借金の申し入れをするとか……。


事実、私は、景子ちゃんにエクスタシーの会社の電話番号を聞きたい衝動に駆られた。


景子ちゃんのエクスタシーに対する想いを知らなければ、すでに実行していたかも知れない。


けど、彼に会うために借金なんかしてしまったら、ただの『客』になってしまう。


それだけはイヤだ。


でも会いたい……。





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