エクスタシー~極上のオトコ!?~
「はんぶん持ってやろうか」


後ろから低い声がした。




振り返って、腰が抜けそうになった。


あ。あわわ。


エクスタシーが私を見下ろしている。


その瞬間、カッと自分の顔に血がのぼるのがわかった。


私はあたふたした。


「い、いえ。ウ、ウチ、すぐそこなんで……」


相手の目を見ることもできない。


視線を足元に落としながら、モゴモゴ言って断っていた。


しばらくの沈黙があった。


おそるおそる目を上げると、エクスタシーの唇の両端がニッと持ち上がった。


「あ、そう」


あっさりと申し出を引っ込めたエクスタシーは、駐車場に停めたダークグリーンの車へと歩いて行った。


変なカタチの大きな車に乗る、その姿さえもが神々しい。





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