エクスタシー~極上のオトコ!?~
「おお。やってる、やってる」


景子が泣きながら塀のビラを剥がしていた。


傍には見るからにヤバそうな男が立っている。


アタシは通行人を装って、こっそり二人に近づいた。


「えらく立派なウチに住んでるじゃないか。百万ぽっち、いくらでも返せるはずだろ」


男が詰め寄る。


景子はただ首を振るばかりだった。


男が景子の肩を掴んで乱暴に自分の方に向き直らせた。


「なぁ。親にでも借りて、いい加減、ラクになれよ」

不気味に優しい口調。


だか、男の言う通りだ。


景子が泣きつけば、あの甘っちょろい両親は一千万でも二千万でも出すだろう。


なぜそうしないのか。


それが不思議だった。




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