トライアングル・ラブストーリー
(はぁ〜部長の家か…)
断ればよかった…
こういう時ほど、時間というのは早く感じて、ふと気がつくともう退社する時間になっていた
さっさと終わらせて早く帰ろう
そう思った私だけど、足取りは重く、いつもより2倍近く時間がかかってしまった
すっかり暗くなった空を見上げ、一つ息を吐いてから部長の部屋のインターホンをならす
5秒としないうちに中から出てきたのは息を切らした部長だった
「原田…来てくれたのか」
「一応部長命令ですから」
「ふっ。まぁ中へ入れ」
「失礼します」
いつも来てる時は「失礼します」なんて言わないのに、今日は私のちょっとした意地
私のよそよそしさに気づいた部長の表情が少し曇る
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