“無”な彼。
チラッ…
山内くんが私を横目で見た。
しかし、無視。
うんとも言ってくれないし、頷いてもくれなかった。
ガァーン…、私の頭の上に岩が落ちてきたくらいの衝撃だった。
本当に口も聞いてくれないんだ。
私なら、ってちょっとでも期待した私が馬鹿みたい。
黙って立ち去ろう、最後に山内くんを見た時だった。
…………ん?
山内くんの読んでいた漫画を見てしまった。
「好き」
この漫画、私好きだよ…!
最近出た漫画じゃんっ!
欲しいけど、もうお金残ってないし…。
頭の中で葛藤していると、山内くんがこっちを向いた。
「ゴメン」
そして一言だけ言うと、私の横を通ってレジに向かっていった。
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