ハネノネ
窓の外では、雪が降っていた。
ハネ以外になにかが降るのを見るのは、とても久しぶりな気がする。
とても綺麗で、随分昔にユウヤが言った言葉を思い出した。
“こんなに綺麗な羽根に殺されるなら、“人間”として本望じゃない”
私とユウヤの違いは、ハネ、或いは羽根を“綺麗”と感じるか感じないか。
きっとナキは、そのユウヤに惹かれたのだろう。
私はノートの隅っこに、先ほど思いついたフレーズを書き出してみた。
“この世が終わりを告げる日の、とある恋の話”
少し恥ずかしくもなったが、きっとあの2人に付ける言葉としてはこれ以上しっくりくるものはないだろう。
大満足した私は、雪降る町に目をやりつつ再び数式を解き始めた。
fin.

