雨に恋した華 〜君とずっと〜
 − ガシャンッ!!!


あたしの手から落ちたグラスが、派手な音を立てながら粉々に砕け散った。


「ちょっ、紫!何してんの!?」


「紫ちゃん、大丈夫!?」


隣にいる千晶と、その向かいに座っていた千鶴ちゃんの言葉が、あたしの耳を通り過ぎていく。


周りにいる人達や、今入って来たばかりの団体客があたしに視線を集めた。


その直後…


「紫……?」


さっきの女の人に手を引かれていた男の人が、目を見開きながらあたしの名前を呼んだ。


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