雨に恋した華 〜君とずっと〜
「虹ちゃん……」


あたしの言葉に導かれるように、千晶と千鶴ちゃんが入口に視線を遣った。


「え?虹希さん?」


そう言った千晶を見て、虹ちゃんの事を知らない千鶴ちゃんも状況を把握したみたい。


「お客様、大丈夫ですか?」


一瞬だけ流れた気まずい雰囲気は、駆け寄って来た店員によって掻き消された。


「すみません……。あの、弁償しますので……」


「いえ、大丈夫ですよ」


震える声で言うと、店員は笑顔で首を横に振って手早く片付けてくれた。


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