雨に恋した華 〜君とずっと〜

慌てて画面を確認したあたしから、ため息が漏れた。


何だ……


落胆しながらも通話ボタンを押したのは、あのテーブルに戻るよりもずっとマシだと思ったから…。


「はい……」


「紫？千晶、どこ行ったか知らねぇ？」


あたしの言葉を遮るように、電話の向こうから健一が訊いた。


一瞬、知らない振りをしようかとも思った。


だけど…


千晶があたしの事を気にしながらも、何度もこっそり携帯を見ていた事を知っている。


だから…