雨に恋した華 〜君とずっと〜
「紫はどうする?」


「あたしも帰ろうかな……」


一瞬だけ躊躇したけど、森さんが虹ちゃんに触る姿をこれ以上見たくなくて、そう答えながら立ち上がった。


その瞬間…


「紫ちゃんはまだ帰っちゃダメだよ」


笑顔の村上さんに、手首を掴まれてしまった。


「え?でも、あたし……」


「今日はご馳走するし、帰りはちゃんと送るからさ」


村上さんは断ろうとしたあたしの言葉を遮って、満面に笑みを浮かべたままあたしをまた椅子に座らせた。


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