王子様の甘い誘惑【完】
「俺は、お前が世界一可愛いと思ってるし、それでいいだろ?」
蓮の言葉が頭の中でリピートする。
世界一……可愛い……?これは夢?それともあたしの聞き間違い?
「で、結局お前はどう思ってんの?俺のこと好きなのか嫌いなのかハッキリしろよ」
そんなのここまで言えば分かるでしょ?
「……好きに決まってる……」
そう呟いた瞬間、急に恥ずかしさが込み上げて来て。
人に『好き』なんて言ったのは生まれて初めてで。
体中がくすぐったくなる。
「バーカ。遅せぇんだよ」
蓮は今まで見たことがない位優しい笑みを浮かべると、あたしの頭をガシガシと嬉しそうに撫でた。
そして、あたしの唇にキスをした。
優しくて甘い……極上のキスを……。