王子様の甘い誘惑【完】
気持ちの通じ合ったあたし達は数え切れないほどのキスを交わした。
その間に、窓を叩いていた雨はいつの間にか止んでいた。
今まで意地を張っていた分、互いの気持ちが通じ合った時の喜びは大きくて。
どうしてこんなに夢中になってるのか、自分でも不思議。
蓮と初めて出会った瞬間。
理事長室で蓮を一目見た時に体に走った衝撃。
それは、恋の始まりだったのかもしれない。
あたしは、蓮に一目ぼれしてたんだ……。
「風呂入ってくる。先寝てていいから」
蓮は部屋の掛け時計に視線を移した後、あたしの頭をポンッと叩いて立ち上がった。