王子様の甘い誘惑【完】
「それ、誘ってんの?」
「……へ?」
誘ってるって……何が?
思わず自分の胸元に視線を移したあたしは、ギョッとして目を見開いた。
「……ちょっ!!見ないで!!」
ブラジャーの色が薄らと透けていることに気付いて、思わず胸元を両手で隠す。
学校に着く前、暑いからとブレザーを脱いだばかりに……。
「別に……誘ってない!!それに、ブラが透けちゃうなんて、よくあることでしょ!?」
今日は朝から暑いし、大勢の女子生徒がブレザーを脱いでいる。
みんながみんな透けないようなブラつけてるわけじゃないもんね。
恥ずかしさを隠すために強がってそう言うと、蓮はクスッと笑った。