王子様の甘い誘惑【完】
―――……


ちょうど2限目が始まる少し前に学校に到着したあたしと蓮。


蓮は急ぐあたしにうんざりした表情を浮かべながらも、しっかり横をキープしていた。


「お前さぁ……――」


1年生は4階でと2年生は3階。


蓮と別れて階段を上ろうとした時、蓮があたしの腕をパッと掴んだ。


「ん?どうしたの?」


「さっきからずっと思ってたんだけどさ」


「……何を?」


蓮の視線はあたしの顔から徐々に下がって胸のあたりでピタリと止まった。


そして、掴んでいたあたしの手をパッと話すとあたしの胸元を指差した。


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