王子様の甘い誘惑【完】
「離すわけねぇだろ」


蓮の手が胸の前から肩に移動する。


そのなだらかな動きに頭がついていかない。


頭の中に電気が走ったみたいに、痺れて全然機能してくれない。


「なぁ、いつになったらまともに俺と向き合ってくれんの?」


「……え?」


蓮はあたしの肩を掴むと、クルッと回転させた。


蓮と向き合う形になったあたしは少しだけ俯く。

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