王子様の甘い誘惑【完】
この人の彼女になれたらいいなぁ……とか。
この人が彼氏だったら自慢だなぁ……とか。
そういうレベルの話じゃない。
蓮はいわば高嶺の花っていうやつ。
あたしには到底手の届かない人だし、ましてや付き合うなんて考えられなかった。
最初は家政婦として蓮と暮らし始めたけど、今は違う。
「だって、蓮カッコイイし……。なんか蓮を見ると、心臓が変になっちゃうんだもん」
「……へぇ。だったら、もっと変になれよ」
蓮はグイッと腕を掴むと、あたしの体をギュッと抱きしめた。