キラキラ光る夜に


…知っててちゅーした?


知ってて…?


「最低!自分のこと好きだって言う女に発情したらちゅーしちゃうんだ?!」


あたしがそう言うと、ちか兄は更に不機嫌そうな顔になった。


「最低最低最低!ちか兄の馬鹿!」


悔しいムカつくひどい。


色んな感情が混ぜこぜになって涙が出る。


ちか兄をポカポカと殴った。


───ガシッ


いきなりちか兄に両手を掴まれた。


掴む力が強くて痛い。


「ちか兄…痛…」


言いかけた時だった。


「…馬鹿はどっちだよ!馬鹿絢音!」


ちか兄は大声で怒鳴った。

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