ケーキ屋のあなた


「まぁ、お前が聞きたかったことは全てその手紙に書いてあんだろう」


俺は手紙を見つめて停止した


「で、友美がいないケーキ屋だけど
ケーキを買って帰りますか?」



……………



「……反応無しか…」


お兄さんは頭をかきながら店の中に入った

俺はそのまま立ち止まって、手紙を見つめている







身体が海にのみ込まれてしまったように重い




この手紙を開けて見てしまったら結果がわかる


早く中身を見てみたい気持ちもあるけど
見たくない不安な気持ちもある



俺が店の前につっ立ていた時

後ろから聞き馴染みた声が聞こえて来た



「……い、何て……か聞こえ…か?」


もしかして、この声はあいつらか?
俺は耳を声のする方へ傾けた



「……んない…舞子ちゃん…聞こえた?」


「全っ然聞こえねー」



…今、舞子ちゃんって言ったよな
それに舞子ちゃんの声の前に話していたのは有河と原田だな

ちょっと待てよ…

何であいつ等がここにいんだよ!


もしかして、偵察か!?

告白したことも、今日聞きに来ることも伊勢崎は知ってるし

それより…

あいつ等はあれで隠れているつもりか?
舞子の奴、もっとボリューム下げなきゃ丸聞こえだよ









< 64 / 64 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

Light desired   ~希望の光~

総文字数/51,123

ファンタジー87ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
表では人助けをしていて 裏では人を物同然にこき使っている 命を弄んでいる 「命を弄んでいる?何のことだ?私は人を助けているだろう アハハハハッ!!」 それは正義なのですか? 表では盗みをしていて 裏では人の役に立とうとしている 「俺は…俺達はこうするしか生きる道はないんだ」 これは悪なのですか? ××××× 「警察だ!怪盗シェイド!お前を逮捕する!!」 「ファリー警官…やれるものなら、やってみろよ!」 ××××× 表と裏が交差する世界 正しい道は誰にもわからない…  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ※男の主人公中心で書いています 更新&修正中…                     
シェルの宝石

総文字数/3,881

ファンタジー10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
森の中を駆け巡る少女 「はぁはぁ……絶対にこれを渡すものか…」 何者からか追われている よろけながらも逃げ回る少女 手には大事に何かを持っていた 手の中には一体何が!?
Chamomile

総文字数/27,798

ファンタジー52ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
プラント学園には 伝説の生き物、レジェンドが現れる… マフィア、【B.bowl】のボスからの任務で ソイルとクロウは レジェンドを退治しにプラント学園へ そして、もう一つの任務は… この学園で繰り出される ソイル達の学園生活 無事に任務をやり遂げられるのか… 「…こんなところで何をしている」 「そうだよ~?こんな遅い時間に」 「・・・・・何もしていませんよ」 (ヤバイ…もしかして見られた!?) そして、学園の生徒にレジェンドのこと 【B.bowl】のことをばれずに3年間過ごせるのか!? †――――――――――――† 流血、暴力的行為が出てきます 注意してください

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop