ミルク

担任と雅のはっした雷王という言葉にクラスがざわついた。

「なーんだ、みんな知ってんだ。楽しくねーな、教えてやろうと思ったのに」

雅はつまらなさそうに笑った。


雷王とは、雅を頭に構成された暴走族。

様々な場所で喧嘩をし、自分達の縄張りを増やしている一番強く、恐れられているグループだ。

雅は小さい頃から様々な武術などをしていたため、喧嘩は強い。

だけど雷王は今、姿を消している。

姿を消しているのは雅が入院していたこともあるのだろうが、詳しくは分からない。

雅が‥雷王の頭が、復活したことにより雷王は蘇る。

クラスのみんなも担任も、それを恐れている。

負けることを知らない猛獣が暴れるのも近い。


「そんなに怖がらないでよ」

雅はニコニコしている。
ただじっと笑っている。



キーンコーンカーンコーン‥

朝のホームルームの終了を告げるチャイムが鳴った。


「あ、朝のホームルーム終わっちゃった。まぁいいや。じゃあ帰るから。みんな授業頑張って。明日から仲良くしてね?」

雅は何事も無かったかのように、微笑み私の手をつかんだ。

雅は私の手を引き教室を出た。
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