ある聖夜の物語《短》

それからどのくらい飲んだのかわからないけれど、タキの飲み物がビールに戻っているので赤ワインは空けたのだと思う。

私は、と言えば。

肩を枕にするのに疲れてしまって、タキの膝を枕にして寝転んでいた。

タキの膝は今まで膝枕してもらったどのクラスメイトの男の子達よりも気持ちよくて、思わず眠ってしまいそうになる。

その度に寝返りをうつ私にタキは眠いならベッドに行け、と行ってくれるけど正直、立つことすら面倒臭かった。


どうしようかな、とぼーっとする頭で考えながら閉じていた瞼をゆっくりと開ける。

視線の先に見えるのはお酒の空き缶や赤ワインの瓶、紙コップが散乱しているガラスのテーブルとカーテンが開いている窓。

テーブル片付けなきゃ、と思いつつ窓の外を見ていると。

何だか白いものが、チラチラと暗闇の中に浮かんでいた。
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