舞風─君をさがして─
やっと着いたぁ~



「お前も二十秒の遅刻だな」

わ、私のこと……?
風紀委員の生徒だろうか。息切れと学校に着いたという安堵感で、
その人物を直視できていない。

「に、二十秒……?!随分細かいんですね」

「当たり前だ。一秒たりとも遅刻は認めん。遅刻者は放課後、学園長室に来るようにと学園長のご命を受けている」

うわ~っ!!!!厳しい……

「そんな固いこと言わずにさぁ、見逃してよ一(はじめ)君」

私より先に来ていた少年はどうやら風紀委員と顔見知りみたい。

「それはできない。学長の命に従うのが俺の使命だからだ。藤堂平助、並びに……」

「……雪村、雪村千鶴です」

刺さるような視線を向けられ思わず答えてしまった。

「藤堂平助と雪村千鶴、二人とも放課後学園長室に来ること、いいな」



「ちょっと待ってよ。僕も居るんだけど」



背後からもう一人の青年が現れた。
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