ダークエンジェル
その言葉にカイルは顔の筋肉をビクっと緊張させた。




「その頃、まだ17歳でしたが、
私はかなりの自由と
財団の要となる島を掌握していたのです。

その頃、ガクトは体調を崩しがちで、
一時ほどの気力は消えていました。

私は一年ほどマール島に入り浸りました。

ええ、ガクトが死ぬのを待っていました。

そして… 私は高倉さんの様子を調べました。

高倉さんはリュウを家で育てていました。
私は、それを聞いて驚き、嬉しかったです。

ママと一緒に死んでしまった、と思っていたのです。

あの時、私がばかな行動などしなければ、
私も高倉さんの子供として、
ママと一緒に東京で暮らしていたはずだったから… 

いつも謝っていました。」


「私は君の幸せを願っていたよ。

ああ、あの時は誰もが、
赤ん坊も助からない、と思っていた。

しかし、よく住所が分かったね。」


「ママが手紙で… 
これからは日本のここで暮らすんだよ、って送ってくれていたのです。

私は幼くして文字が理解できましたから。

図書室で暮らしている間に日本語を学び、
住所は頭に入っています。

それで私は… 
すぐに後悔しましたが… 
マール島の権利を… 

ガクトの死、と共に
高倉さんとリュウの名前に書き換えたのです。

私はただ嬉しかっただけ… 

マール島はママが、
ただの島に過ぎなかったのをママがいろいろ発見して、
価値のある島にしたのです。

ママを思い出して… 

生まれた時から母を知らないリュウと、

ママを愛してくれた高倉さんに、と。

勿論合法的なものですから誰も覆す事は出来ません。」



と、カイルは想定外の言葉を出した。




「カイル、何を言っているんだ。
私たちにそんなものは必要ない。

私たちは生きていくだけのものには困らないんだよ。」


「はい。非常識な事でした。
私もまともな育ち方をしていませんから、

普通に考えれば非常識な事でも… 
簡単に考えてしまうようです。

それがどんな事になるかも考えないで… 
とても悔やんでいます。」
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