ダークエンジェル

カイルは本当に辛そうな顔をして… 
しばらく目を閉じていた。

たまっていた涙が頬を流れても
気にならないようだ。


しばらくしてカイルは目を開け、
2人を見ている。

かなり話辛いことのようが、決心している顔だ。

エルザは初めから気を利かせたのか、
隣の部屋で信秀とリュウの泊まる用意を始めている。

3人の言葉が、初めこそ英語だったが、

すぐに日本語に変わったので、
何を話しているのかも理解出来ないのだろう。

それに、カイルを案じていたが、
こうして話をしていれば、
気持が和らぐだろう、
と期待しているところもある。



「何があったのだね。」



信秀が声をかけた。



「私の愚かな行為で
高倉さんたちが狙われるようになってしまいました。

ガクトの死後、
財団を仕切ったのはドートンでした。

彼は私が保有しているマール島の価値、
そのものも大して分かってはいないようでした。

ただすんなり会長になれて満足しているようでした。

しかしソージャは違っていました。
価値も知っていました。
ガクトが私に譲ったのも不満でした。

ガクトには何も言えませんでしたが死んだとなれば… 
で、私を殺して奪おう、と考えたようです。

そのうちに所有者の名義変更に気づきました。

だからまず高倉さんを狙ったのです。

ええ、そう言うことは
公の事件にしては… 
財団の名前が出れば自滅にもつながると考えたのでしょう。

それでさりげなく、と考え、
美由紀を刺客に送ったのです。」



「美由紀が… 」



信秀は驚き、
心が宙に浮いたような、
呆然とした顔をしている。

リュウは… 
やっぱり、あの人はそう言う心を持っていたんだ。

だから僕の感性が近づくな、と言っていたんだ。

そう、訳なんか無くても、
僕はあの人が嫌いだった。

あの人の中に父さんと僕を殺そうとした心があったのだ。

と、はっきり分った。
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