ダークエンジェル

ますます話が複雑になり、
信秀も頭がまとまらないようだ。

どう考えても、
ドリーが何故ここまで来たのか、
会ったことも無い自分たちに会うために来たとは、
不可解でしかなかった。



「日本に着いたのは2日前です。

ニューヨークではカイルに見つかるといけないので日本の空港で待っていました。

でも、あなた方はタクシーで… 
私は言葉が分らないので… 
昨日は空港で寝ました。

それからポリスにここへの来方を聞きました。

電車の乗り方も教えてもらい… 
電車に乗っているとその人を見ました。

一度、病院で見ましたから、すぐ分りました。」



「病院で… じゃあ、君はあの病院にもいたのかね。」


「・・・」


「ここの住所はどうしてわかったのだい。
カイルしか分らないはずだよ。」


「それは… 」



そう言ってドリーはうつむいてしまった。

それでも自分を見ている信秀の視線を感じているのか、

しばらくして顔を上げた。




「病院の面会者記録を見ました。
すみません。

でも… おばあ様を助けてほしいのです。

カイルの心を変えられるのはあなた方しかいません。」


「何か勘違いをしていると言う事は無いのかい。

そのカレンと言う人が一度は看護師を雇ってカイルを殺そうとした。

多分、私たちがニューヨークへ着いた前日、

まだカイルの意識が無い時だね。

あの階の警戒がやたらと厳しかった。

それは納得出来る。
それで犯人探しを始めている事は知っていたよ。

だけど、狙ったのはその一度だけだったんだろ。」


「はい。キースが知って、
慌てておばあ様を説得して… 私も一緒になって… 

9月に入って私たちは引越しまでしたのです。

私たちはおばあ様と静かに暮らしたいだけなのです。

今はおばあ様もそう望んでいます。」


「引越し… 」


「店を売って… そのお金で小さい家を借り… 

ここへの飛行機代はそのお金です。」
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