ダークエンジェル
どうもドリーの話は分らなかった。
「ドリー、誰がカレンをそそのかしたの。
どうして金が入ると言ったのか分らないよ。
こういっては何だけど、
普通に考えれば、
いくらカレンがドートンの母親でも、
籍は入っていないのだろ。
40年も前にガクト・ハワードと離婚したのだからね。
だから彼女はドートンが遺言でも残していたら別だけど、
ドートンの遺産も入らない。
だけど君たちは…
認知されていなくても… どうかなあ。
弁護士にでも相談したら。
それから… カイルが君たちに宣戦布告でもしたのかい。
2日前まで一緒にいたけど、
そんな素振は見なかった。
第一、カイルは大変な手術をした後なんだよ。
それがどうして、
君がここまで来るようになったのか、
全く理解に苦しむよ。」
信秀は筋が通るように話している。
「だって… おばあ様は狙われているのです。
キースが守っていますが…
私たちでは… 」
「そんなの他の誰かかも知れないじゃあないか。
僕は一度でもカイルを殺そうとした奴は許せないけど、
君の話はおかし過ぎる。
カイルを悪者にするな。」
リュウはだんだん腹が立ってきている。
父がいなければ追い出してやる、と思っているが…
「それで君はここへ来て、私たちにどうしてほしいのだね。
カイルはしばらく、
あのビルの最上階のペントハウスで暮らすよ。
いろいろな医療器具も運び入れた。」
「キースといきました。
でも… 会わせて貰えませんでした。」
「当たり前じゃあないか。
カイルは重病人だったんだぞ。
だから僕たちがずっとついていたんだ。
義足をつけなければならないカイルの気持ち、分るか。
僕たち以外は、誰にも会いたくない。
当たり前だ。
ね、父さん。」
「ああ、確かにカイルは…
しかし… どうもおかしいな。」
信秀は何か考えがあるようだった。
どうも父さんは女に弱い。
父の様子を見て、リュウはそんな事を感じていた。