First Love 〜俺に惚れろ〜

「…な、しか言えねぇのかよ」

呆れたような顔で近づいてくる悠に、自然と後退。


「な、んでいるの…」


やっと出た一言。

でも聞きたいのはそんなことじゃなくて。


「それだけか」

「…へ?」

「聞きたいのはそれだけかよ」

はぁ…っ!!?


「…っ何で昨日っ…、キ…、キス、した…の」


自分で言って恥ずかしくなって、目を逸らしそうになった。

顔が熱くなってくのがわかる。


「…何でだと思う?」

「ぇ…」


一歩近づいてきた悠に、また一歩後退しようとした。

でも、下げかけた足にコツン…と何かがあたり、後ろに壁があると気付いた。


「……、どいてよ」

…何で悠はキスしたの?
目の前の悠を見ると、昨日のことが頭に浮かぶ。


昨日は、悠のくせに

…はっきり言って怖かった。

力、強くてビクともしないし

何か怒ってたし…


「…っどいて…、」

「何でだと思う」

再び同じ質問をしてくる悠。

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