First Love 〜俺に惚れろ〜
「…昨日のは。…お前がうるさかったから口塞いだだけだ」
「気にすんな」って言う悠には、はぁ…!!?って思ったけど
どうでもよくなったの。
それからしばらくして、悠はナナから離れて
「行くか」って手を掴んで歩き出したから。
緩んでた涙腺には、いつの間にか暗くなった帰り道と
手をひいて前を歩く悠が
ぼやけることを忘れた視界にはっきり映ってた。
「……っ」
ナナの歩く速さに合わせて前を歩いてる悠を見たら
どうしようもなく胸が締め付けられるような感じになった。
「…悠」
「ん?」
「…何でもない」
「あ?わけわかんね」
そう言って笑う悠を見てたら顔が熱くなって
バレないように俯いて暗くなった帰り道を歩いてった。